活動報告・レポート
2025年12月7日(日)
アフタヌーン ティ コンサート
和歌山サンタラン
和歌山サンタラン

和歌山城下で「和歌山サンタラン」が開催され、大勢の方々か参加したイベントとなりました。

サンタランはサンタクロースの衣装を着て和歌山城の天守閣まで歩いて登るイベントです。参加者の収益金の一部は病気の子どもたちへのサンタからのプレゼントとして配られます。毎年の和歌山市の年末の恒例行事になっているサンタランは、楽しみながら子ども達の支援につながるイベントになっています。

会場の西の丸広場では多くの友人達やスタッフの方々と出会いましたが、みんなが笑顔になり楽しんでいました。スタッフ、参加者の皆さん、一緒に楽しませてもらいました。ありがとうございます。

和歌山サンタラン 和歌山サンタラン
ゴールドの会

「ゴールドの会」年末の集いに出席しました。「ゴールドの会」例会は、これが今年の最終となるものです。毎回、勉強の機会がありますが、今回は新宮市観光協会登録ガイドの西浦さんを講師にお迎えして「熊野曼荼羅」の講義を受けました。「熊野曼荼羅」の言葉は聴きますが、説明を聞くのは初めてでした。

ゴールドの会「熊野曼荼羅」の講義

「熊野曼荼羅」とは熊野信仰にまつわる神仏習合曼荼羅の一種で、今回は4枚の「熊野曼荼羅」を説明してくれましたが、そこには人生の歩みと熊野三山の歴史が描かれていました。

生まれた子どもは鳥居をくぐり、そこから人生の四季と坂道を歩き始めます。両親からお祝いされる桜の季節を通り過ぎると、青年期の盛夏に向かいます。ここでは大木が大空に向かって伸びようとしています。子どもが成長して大人になっていく季節です。続いて秋を迎えますが、ここでは充実期を迎えることになります。人生の果実が実り収穫していく時期で、その次は木々の葉が散り枯れ葉が目立ってきます。人生も終盤に差し掛かり、やがて鳥居をくぐってこの場所を出ることになります。

つまり人生を終えて次の世界に向かうのですが、そこでは天国と地獄のどちらかの入口に立つことになります。現世での行いが判断されて、どちらかの世界へと向かうのです。少し恐ろしい話になっていきますが、できれば天国に行くために熊野三山へお参りすることを説いてくれます。天皇や上皇が参拝した行幸の道であり、神仏習合の自然信仰の道が熊野古道であり、行き着く先が熊野三山なのです。何人も受け入れた神聖な場所が熊野であり、ここで身を清め蘇ることで天国への扉を開けることになります。この熊野信仰を図にしたものが「熊野曼荼羅」です。

ゴールドの会「熊野曼荼羅」の講義

講義は約40分、熊野信仰の全体像がよく分かるものでした。西浦さんに「素晴らしい講義でした」と声を掛けて「これだけの講義をするためには、どれだけ多くの時間が必要でしょうか」と質問したところ「5年ぐらいかかりましたね」と答えが返ってきました。

西浦さんの見事な解説の裏には5年の歳月がかかっていたのです。「熊野曼荼羅」の物語という、熊野三山に至る道への旅をしているような氣持ちに引き込んでくれました。次々に物語が展開していく見事な語りで熊野に触れる価値に溢れていました。

途中、参加者に「掛け声」の協力を呼び掛けるのですが、これは「興味に欠ける方たちの眠気を覚ますため」だそうです。但し、「ゴールドの会」の会員で眠気を感じた人はいなかったと思うほど、私たちを物語の中に誘ってくれました。講義を終えた時、熊野を旅したような氣分になりました。

アフタヌーン ティ コンサート
アフタヌーン ティ コンサート

Fプロジェクト主催の「アフタヌーン ティ コンサート」に行ってきました。私は毎年12月に開催しているこのコンサートを楽しみにしています。メンバーから、冒頭、「今回は昭和のシンガーの歌を中心に構成しました」と説明があったように、とても懐かしさを感じる選曲でした。

その理由は「私も72歳になりました。同級生で亡くなった人もいて、同じ年の人が亡くなると、とても寂しく感じるようになりました。そんな同級生に届ける歌を演奏したいと思います」の言葉にありました。

「時の流れに身をまかせ」「テネシー・ワルツ」から演奏は始まり、途中、人生の季節を感じる演奏が続きます。人生には記憶の中に閉じ込められている場面がいくつもあり、ふとしたことで蘇りますが、その鍵の一つが歌です。その時々の歌を聴いた時に、その時々の思い出が蘇ることがありますが、それは歌が記憶の扉を開けてくれるからです。

アフタヌーン ティ コンサート

今日の演奏は「誰にでも忘れている大切な思い出があり、それを思い出すことで幸せ感に浸ってもらう」ことを目指したものだと思います。

例えば「川の流れのように」や「また逢う日まで」、「あなた」の曲であの昭和の頃の記憶が蘇った人もいたと思います。「また逢う日まで」は当時とても流行していて、テレビで何度も見た記憶があります。「あなた」も流行っていて「ピアノの音色がきれいな曲だなぁ」と思った記憶があります。

お客さんがそれぞれの人生の節目を感じられるような選曲で「歌は私たちをワープさせてくれます」と岡本さんが演出した通りの展開になったと思います。

人生は途切れることなくつながっていますが、実は大きな出来事以外は覚えていないものなので、記憶の中の人生は断片的なものです。しかし当時の歌を聴くと忘れていた思い出が蘇り、空白だった時が記憶の中に出現します。人生の中で忘れていた隙間を埋めてくれるような感覚です。単に「この歌は良かったなぁ」「流行していたなぁ」などの記憶ではなくて「当時の自分が中心だった物語の記憶」が蘇るのです。

アフタヌーン ティ コンサート

私たちは、大人になるに連れて物語の中心でいられる場面が少なくなっていきますが、子どもの頃や学生の時は新鮮で楽しいたくさんの場面があり、物語の中心でいられた場面が多いのです。歌は当時の自分の物語を呼び覚ましてくれるのです。

昭和の時代に生まれ、今日まで生きてきた私たちの時代に合わせた選曲は、演奏を聴く私たちの記憶を呼び覚まし、幸せな時間を与えてくれました。一日に少しの幸せな時間があることが大きな幸せになりますから、Fプロジェクトから年末のプレゼントを届けてもらったような感じです。

コンサートを終えて、押し入れに仕舞っている懐かしいLPを探して聴きたくなりました。人生はいくつもの場面で構成されていますが、全てを覚えているわけではありません。

しかし、それぞれの場面は忘れていても人生を構成する要素になっています。思い出すことで大切なことを得るための行動をするかも知れませんし、懐かしい記憶に浸れる幸せな時間を過ごすことができるかも知れません。昭和を生きた人も、平成に生まれた人も、人生を生きることは同じですから、音楽は過去と現在をつなげてくれて幸せを得られる鍵になります。素敵なひと時を与えてくれたメンバーに感謝しています。

最後に。私が会場を出る瞬間、スタッフの一人の方が「片桐さんの話はとても上手で良かったです。流石だと思いました」と話してくれました。とても嬉しいことです。

これはコンサートの途中、岡本さんが「片桐さん、舞台に上がって挨拶をしてください」と引っ張りだしてくれたので挨拶をさせてもらいましたが、この時の舞台からの話を褒めてくれたものです。これも幸せな瞬間でした。ありがとうございます。